ニセコエリアは今年、数年ぶりの大雪でした。
いつ春が来るのかと思いきや・・・3月に入ると意外にも晴天続き。
あれよあれよと言う間に雪が解け、ついに待ち望んだ『雪堀りにんじん』の収穫です。
ニセコから車で30分ほどの喜茂別町にある『小松平農園』へお伺いしてきました。
雪堀りにんじんって?
雪堀りにんじんは、秋に実ったにんじんを収穫せずにひと冬畑で寝かせておいて、雪解けが近くなったら収穫するものです。
3月になると、積雪1mはあろうかという畑を除雪し、残りの雪の上には黒い融雪剤(炭の粉)を撒きます。
写真の右側の雪がちょっと黒くなっているのは、融雪剤の色です。
そうして雪が解けると、その下に眠っているにんじんを掘り起こし、収穫してゆくのです。
今年の作況は?
うーん、今年はあまり良くないかな・・・とおっしゃるのは、小松平幹夫さん。
手にしたにんじんは、大きく縦に割れてしまっていました。
「こんな風に割れちゃって。秋に雨が多かったから、そのせいだと思うんですよね。
ちゃんとしたのが少ないから、今年はA品の値段が上がりそうですよ」
とのこと。でも、味は甘くおいしいと太鼓判。また割れてしまったものも、加工用に出荷することはできるのだそうです。
「ただ人手が足りなくて。なかなかそちらの収穫まで手が回らないんです」
ほとんどが手作業!収穫の様子を大公開。
ところで・・・にんじんをどうやって掘り起こすんですか?とお聞きしたら、幹夫さんが「最初はトラクターで、畝の土を浮かせるんです。見てみます?」
なんと!実際にトラクターで掘り起こすところを見せてくださいました!
皆さんもぜひ!トラクターの後ろの部分で、土をすくい上げるようにして地中のにんじんを掘り起こします。
・・・でも。このあとは一本一本、土の中からにんじんを拾い、葉を切り落として泥をぬぐい、収穫してゆくのです。
ご覧のとおり、機械に頼れるのはほんの最初だけ。
あとはほとんど手作業です。なんという大変さ。
「秋に収穫するにんじんは、葉が茂っているからその部分を機械でつかんで抜いていくんだよ。
でも、雪堀りにんじんは葉っぱは雪でつぶれてしまってるし、土がぬかるんでいるから大きな機械も畑に入れない。手でやるしかないんだよね」
幹夫さんのご両親が教えてくださいました。
なんと手のかかったにんじんなのでしょう。
こうして丁寧に育て、収穫してくださった野菜を全国にお届けできるのは、本当にありがたいことです。
収穫されたにんじんは、倉庫で土を乾かしてから箱に詰め、出荷されます。
今年ご予約くださった皆さまのもとに届くのももうすぐ。
取材の帰りに「今日収穫した分ですから」と持たせてくださったにんじんは、オフィスに戻ってすぐに野菜スティックでいただきました。
「・・・わあ、フルーツみたい」
そんな言葉がスルッと出てくるくらい、クセがなく甘いにんじんでした!
小松平農園の皆さま、収穫のさなかにありがとうございました!
■追記■
畑のうち、にんじんを植えてある場所以外はまだ、分厚い雪に覆われていました。
「・・・あっちの雪の下って、なんの畑ですか?」
「あっちは、ホワイトアスパラです」
そう、にんじんの次には、小松平農園からホワイトアスパラが届きます!グリーンアスパラと違い、土をかぶせて日に当てず育てます。
ジュワッと水分たっぷりで、甘みとほろ苦さが楽しめる小松平農園のホワイトアスパラ。
「シーズン初めのほうが甘いので、5月中がオススメですよ!」幹夫さんからのメッセージです。ご予約はお早めに!